2007年01月26日

抵当権と保証・連帯債務等@

抵当権などの担保物権

 @担保物権の種類と性質

 1)担保物権の種類

 法廷担保物権・・法律によって成立する。
 ↓
 留置権、先取特権

 約定担保物権・・当事者の合意によって成立する。
 ↓
 質権、抵当権

 2)担保物権の性質

 ア・不従性・・債権に伴い担保を設定し、弁済によって消滅する事。

 イ・不可分性・債権全額が弁済されるまで、担保物権が存続する事。

 ウ・随伴性・・債権が移転すれば、担保物権も移転する事。

 エ・物上代位性・担保の対象が無くなってしまった場合、発生する請求権に対し、担保の効力が生じる事。

 オ・担保物権は原則、登記がないと第三者に対抗できない。


 A抵当権

 1)抵当権とは

 抵当権者=債権者=お金を貸す側

 抵当権設定者=債務者=お金を借りる側

 抵当権設定者が返済できないとき、抵当権者は目的物を競売により、売却しようとする行為を『抵当権の実行』

 担保権の実行は、「不動産競売」の他に「担保不動産収益執行」がある。

 ※債権者などがその手元に残したまま担保に供した不動産を、他の債権者に優先して、債権の回収を図る事ができる担保物権

 根抵当権・・一定の範囲に属する不特定の債権を一定限度額(極度額)まで繰り返し貸し付けるために設定する抵当権。

 2)抵当権の設定

 ア・抵当権の目的物

 抵当権の目的物となりうるものは不動産、地上権、永小作権

 イ・抵当権設定契約

 債権者と債務者の合意。物上保証人でも構わない。

 ウ・対抗要件としての登記

 複数の抵当権がある場合、抵当権の順位も登記の順番となる。

 3)利用など

 抵当権が設定されているとき、使用、収益、売却ができ、抵当権者の承諾は必要ない。

 担保の目的物件を解体、処分する事は抵当権者の承諾なしでは行えない。その際、損害賠償金を支払わなくてはいけない。

 4)抵当権の実行

 抵当権の効力が及ぶ目的物の範囲

 ・土地と建物

 どちらか一方に抵当権を設定しても、効力は及ばない。

 ・付加一体物

 付加して一体となった物については、抵当権の設定の前後を問わず効力が及ぶ。(増築部分、雨戸など)

 ・従物、従たる権利

 従物→取り外しできる庭石や灯篭

 抵当権設定当時に存在した従物は抵当権の対象。

 従たる権利→借地などの賃借権

 抵当権設定当時にあった賃借権などの土地利用権

 ・果実(天然果実と法廷果実)

 不履行があったとき、抵当不動産の果実にも及ぶ。

 天然果実。

 法廷果実・・賃料などの収益。

 
 被担保債権の範囲

 抵当権によって担保される被担保債権の範囲は、元本のほか、利息その他の定期金、損害金などにつき最後の2年分に限られる。

 法定地上権

 法定地上権成立の要件

 ア・抵当権設定当時、土地上に建物が存在し、それぞれ同一の所有者。

 イ・土地建物の一方、または双方に設定されている。
 ↓
 同じ債権を複数の物件に設定する事を共同担保

 ウ・抵当権の実行により土地と建物の所有者が別になった場合。

 ※抵当権設定当時、建物が存在して、同一の所有者の場合、建物の保存登記がなくても法定地上権は認められる。

 一括競売

 更地に抵当権を設定
 ↓
 設定後、建物と建築(建物への抵当権の設定なし)
 ↓
 債務不履行、競売申立て
 ↓
 土地と建物を競売にかける。
 ↓
 土地の代価だけ、優先弁済を受ける。建物の代金は当然受け取れない。

 ※抵当権に対抗できる権利を有する者が占有している場合は、一括競売の対象にならない。

 賃借権の保護

 抵当権設定登記後の賃借権は、期間の長短を問わず、対抗要件を備えていても、抵当権者や買受人に対抗できない。

 しかし、下記の条件が揃う場合は対抗できる。
 ア・登記した賃借権であり
 ↓
 イ・全ての抵当権者が同意をし
 ↓
 ウ・その同意の登記がある

 ★抵当権者に対抗できない賃借によって、競売手続きの開始前から建物を使用または就役している者は、「建物」の場合、買受人が買受けたときから6ヶ月までは引き渡さなくてよい。

 引渡猶予期間中の1ヶ月分以上の使用対価について、使用者に対し相当の期間を定めて支払を催告したにも関わらず、期間内に履行しないときは明け渡し猶予を受ける事ができない。

 5)第三取得者の保護

 ・代価弁済

 第三取得者が支払うべき代金を抵当権設定者ではなく、その債権を保有する抵当権者へ支払、抵当権の抹消を行う。

 同時に抵当権消滅請求ができる。

 6)根抵当権

 ・被担保債権

 債務者に対する全ての債権を担保する包括ね抵当は認められていない。

 被担保債権の範囲は、後順位抵当権者の承諾はなく変更できる。ただし、元本確定前に限られ、確定前に個々の被担保債権が譲渡されても、根抵当権は随伴しない。

 ・極度額

 繰り返し融資を受ける際に予め限度額を定める。

 限度額まで達し、満期となったときから最後の2年分の利息の合計額に関して、優先弁済権の主張はできない。

 限度額の範囲内であれば、利息は2年分に限定されません。

 極度額は元本確定の前後を問わず、後順位抵当権者など利害関係人の承諾があれば変更可能。

 ・元本の確定

 予め確定期日を定める場合と定めない場合があり、定めない場合、根抵当権者は設定の日から3年経過すると、元本の確定を請求できる。また、請求後2週間後に元本が確定する。

 Bその他の担保物権

 1)留置権

 代金支払の債権がある場合、代金の支払前に商品は渡せず、返還を拒むことができる。

 保存に必要な使用を除き、債務者に無断で留置権をしよう・収益することはできない。

 2)先取特権

 工事代金など支払債権がある場合、競売に出しその代金から債権を回収する事が出来る。

 抵当権同様、優先弁済権がある。

 先取特権は法定担保物権。

 ・一般の先取特権・・債務者の全財産のすべてが対象。

 ・動産の先取特権・・賃貸などで支払不能になった際の家屋内に持ち込んだ動産(家具など)敷金がある場合、その残額の不足分

 ・不動産の先取特権・不動産保存・不動産工事の先取特権は、登記した抵当権者にも優先する。

 3)質権

 当事者の契約によって成立する約定担保物権

 契約は合意のみで成立する、諾成契約。

 目的物が必要であり、要物契約。

 不動産の場合、質権者は承諾無くして、質権の対象となっている不動産をその用法に従って使用収益することができる。

 使用する以上、費用は自身が負担する。

 不動産質の場合、利息を請求できない。

 債権質は直接取り立てることができ、第三債務者に対し、弁済すべき金額を供託する事ができる。


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posted by yossie at 16:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 民法
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